こんにちは、Unityエンジニアのオオバです。

UnityでUIを作るときはuGUI一択です。uGUIとはUnity社が公式で提供するUIシステムのことです。一昔前はNGUIを採用することもありましたが、Unity社のがんばりでuGUIでのレベルも上がりました。

オオバはUI周りの仕事に携わることが多く、NGUI、uGUIどちらも経験してきました。具体的な作業としては、UIデザイナーが納品した画像データをUnityに組み込みます。そこで NGUIではできたことがuGUIではできない ということも起きました。

Unity UIでできることできないことを把握した上で、 UIデザイナーとの対話 することはUnityエンジニアの大きな約目です。本記事ではUnityのUIにおける テキスト事情の課題と解決 をまとめます。

ぜひUI開発に携わるUnityエンジニア、UIデザイナーに読んでもらえればと思います。

標準テキストではなくTextMeshProを使う

結論を簡単にまとめます。

標準テキストではなくTextMeshProを使う

①uGUIの標準テキストは文字間の調整不可

②TextMeshProは標準テキストの問題を解決

③TextMeshProはアウトライン表現も美しい

TextMeshProとはUnity標準テキストの後継にあたる新しいテキスト機能です。Unity2021からは標準テキストはレガシーになりました。 レガシーとは将来削除される機能 ということです。

レガシーではなかったとしてもTextMeshProの方が圧倒的に機能が豊富で、表現力も豊かでおすすめです。 これからゲームを作るのであればTextMeshPro一択と言って良いでしょう。 とはいえ、いきなりTextMeshProを使えと言われても困ると思います。そこで、UnityのUIテキストの歴史を振り返りつつ解説しています。

ちなみにUnity UI標準がレガシーになった経緯については次の記事で解説していますので、本記事とあわせて読んでみてください。

👉DOTweenの教科書を読んでUnityアニメーションをプログラミングしてみよう!

デザインの再現はUIエンジニアの腕の見せどころ

デザインする上で文字の扱いは非常に重要な要素です。

などなど。

UIデザイナーのこだわりたい点はたくさん あります。なぜならクオリティアップに必要だからです。オオバも元々デザイナーでした。文字には苦労した経験があります。時間をかけて選びに選んだフォント。デザイナーではない職種の人からは、簡単そうに見えるかもしれませんが かなり骨の折れる作業 です。

そういうデザイナーの血の滲むような苦労がある分、 UIエンジニアとしてはできる限り要望に応えたい。 むしろ、ここが 腕の見せどころ ではないでしょうか。

uGUIの標準テキストは文字間変更できない

Unityのテキスト事情の話に移ります。 uGUIの標準テキストでぶつかった壁は文字間変更できないこと です。この事実をUIデザイナーに伝えると、結構ショックを受けます。それだけ デザインにとって文字間とは重要なのです。

uGUIデフォルト機能でテキストを表示させるためには、 uGUIのTextコンポーネント を使用します。

Textコンポーネントの全ての項目

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_0

標準テキストに文字間設定が存在しない

標準テキストのInspectorウィンドウをよくよく見ると、 カーニング(文字間)設定がない のです。ちなみに「Line Spacing」というそれっぽい設定項目がありますが、

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_1

こちらは 行間設定 です。

行間 Before行間 After
【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_2
【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_2

このように行間の調整は可能です。

一方NGUIではバッチリ行間指定が可能

古参のUIアセットNGUIはどうか検証します。

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_3

バッチリ文字間の変更できますね。

オオバ
オオバ
さすが歴戦のアセットです

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_4

NGUIの場合は UILabel コンポーネントを使います。昔はほんとうによく使いました。

TextMeshProの登場で文字間調節できない問題は解決

現在までの歴史を解説しましたが、ここからは「今」の話をしましょう。 TextMeshProを使うと文字間の問題は解決します。
TextMeshProとは標準テキストの後継にあたる、比較的新しい機能です。元は外部アセットでしたが、今はUnityが公式にサポート開発しています。

新規で作り始めるプロジェクトであれば、テキストシステムはTextMeshProを選ぶべきでしょう。uGUIの標準テキスト、NGUIも使わなくて良いかなと思っています。

文字間の変更

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_5

行間の変更

【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_6

文字間、行間ともに対応しています。

圧倒的なTextMeshProの機能充実度

uGUIの標準Text、NGUIのUILabel、TextMeshPro、3者を比べてみましょう。Inspectorウィンドウでそれぞれ比較してみます。

uGUIのTextNGUIのUILabelTextMeshPro
【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_7
【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_7
【Unity】知っておくべきUIテキストの文字間(カーニング)事情_7

圧倒的にTextMeshProの設定項目が多く機能が充実していますね。後発として登場したテキストシステムを侮ってはいけません。開発者の要望する機能がふんだんに実装されているのです。

まとめ

記事の内容を簡単にまとめます。

テキストの文字間問題はTextMeshProが解決
  • uGUIの標準テキストは文字間設定は不可
  • TextMeshProは文字間、行間設定どちらも可能
  • TextMeshProの登場でuGUIの標準テキストは不要
  • uGUIの標準テキストはUnity2021でレガシーへ

こんな感じです。

TextMeshProと比べるとuGUIのテキストを使うメリットはなくTextMeshProに慣れていくのがよいかと思います。

TextMeshProには 行間以外にも大きなメリット があります。それがアウトライン表現です。

以前ツイートした内容ですが、アウトライン文字の消え方を検証したものです。

若干わかりづらいかも知れませんが、 TextMeshProの方がきれいに消えます。 uGUIテキストはアウトラインが残ってしまうんですよね。TextMeshProには他にもたくさん機能があります。結論としてはuGUI標準テキストの課題は技術の進歩で解決していっています。

繰り返しになりますが、これからゲームを作り出すときはぜひTextMeshProを使いましょう。表現に妥協しづらくなります。また、将来削除される機能を採用する理由はありません。今のうちからTextMeshProに慣れていくことをおすすめします。

この記事があなたのゲーム開発に少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました!
すばらしいUnityライフをお過ごしください。

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